ひよこ音楽舎の絹井です。
いくつかの学校で学園祭が行われる季節になりました。
音楽祭や合唱クラスマッチといわれるクラス合唱の発表会もこの時期によくあります。
数年前、男子中学生で学校の成績が大変優秀で
部活もピアノもとてもがんばっている生徒さんがいました。
クラスメイトから推薦されて合唱のピアノ伴奏者になっていたので
その曲もレッスンしていました。
いつもどおり和やかに話している時に彼が
「自分は必死で高校受験のためにやっているけど、
その先の大学や将来の目標を話せる人が中学にいないんです。結構孤独ですね。」
と言ったことがありました。
私は孤独という単語に新鮮に驚きつつ
「あなたの目指している高校には、同じように夢を語れる友達がいるから
そこに行けば会えるよ」
と伝えながら彼の弾く伴奏に合わせてその歌を歌っていました。
なんとなく人生に悩む中学生男子のピアノで歌ったスピッツの「チェリー」を聞くと
今もあの時を思い出します。
その後、彼は志望の高校に進学して、今は目標の機械工学を学ぶ日々を送っています。