ひよこ音楽舎の絹井です。
今年、この夏限りで閉鎖されてしまう人気のプールがあります。
生徒さんたちが訪れたところ、入場できるまでの待ち時間がとても長く、
プールの中もものすごく混雑していたようです。
楽しかったけどすごくしんどかった、とそこへ行ったみなんが同じ感想でした。
私のプールの忘れられない記憶に中3の体育の授業があります。
その日は中3の最後のプール授業でした。
前半は各自が自由に泳ぎ、後半は2人一組で25メートルをマイペースで泳いで終わるという
ゆるい内容だったので苦手な水泳が楽に終われそうでした。
楽しく喋りながらクラスのみんなが2人づつ飛び込んでいき、中には途中で足をついたりして
ゆっくり進んでいく人もいました。
私はいちばん最後の組で親友と泳ぐことになったのですが、親友は女子水泳部の部長。
身長が私より10センチ高く、競泳用の水着を着用しているアスリートです。
みんなが彼女といっしょに泳ぐのをなんとな~く避けていました。
親友といっしょなんてラッキー、という顔を演じて「私は泳ぐの本当に下手だよね」と
勝負にならないことをアピールしつつドボンと飛び込みました。
その横でイルカように泳ぐ彼女があっという間にゴールしてすぐこちらに振り向き、
私に向かってがんばれーと声をかけたのです。
その声をきっかけにプールサイドの2クラス分(体育授業は2クラス合同のため)の
女子の声援が一斉に起こってしまい、私は名前を連呼されています。
突然の大応援にとにかく早く終わりたい一心で必死の形相で全身をバタバタさせました。
これはもう足なんかつけない、まるで犬かきみたいだがやるしかない、と。
ゴールと同時に先生から「よしよくやった、すぐ上がれ」と言われ、
みんなの拍手に迎えられました。
私はただ泳ぎが下手くそで遅いだけだったのですが
中学最後のプール授業の盛り上がりに貢献できたことは
数少ない体育系の美しい?エピソードです。